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健康な高齢者の口腔ケア方法について (2)
[公開日:2025/1/30 /最終更新日: 2025/01/30 ]年齢を重ねるとともに、口腔状態は少しずつ変化し、噛む力や飲み込む力の低下など、放っておくと健康に影響を及ぼす可能性もあります。しかし、口腔ケアや歯科医院での定期的なケアなど、「口腔健康管理」を日常的に取り入れることで、そのリスクを軽減し、いつまでも食事や会話を楽しむことに繋がります。 前回のコラムに引き続き、健康な高齢者の方に対しての効果的な口腔ケア方法を紹介していきます。
DENTAL HYGIENIST’S PROFILE
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(公社)大阪府歯科衛生士会
やました まさよ
山下 政代先生
健康な高齢者の方の口腔ケア方法について説明します。
前回のあらすじ
前回のコラムでは、年齢を重ねると歯や口腔の機能が低下し、誤嚥性肺炎などの健康リスクが上昇することについて説明しました。また、年齢の変化に応じた生涯にわたるお口の「口腔健康管理」が大切であり、その中でも口腔ケアの清掃面について紹介しました。
今回は口腔ケアの清掃面以外の部分について説明いたします。
5.うがいを効果的に
うがいは汚れを洗い流す効果と口腔機能を保つ効果があります。含む水は少しだけにし、唇を閉じて口の上下、右左を順番にぶくぶく膨らませたり凹ませたりリズミカルに動かします(ブクブクうがい)。この動きを2~3回繰り返します。
ガラガラうがいは上を向いて行う喉のうがいですが、むせやすい方や首に痛みのある方などは無理をしないでおきましょう。
6.唾液腺マッサージをしましょう
唾液腺を刺激して唾液の分泌を促すと、口腔内の自浄作用や乾燥の予防にも効果があります。
耳下腺(耳の前下方)、顎下腺(あご骨の内側のやわらかい部分)、舌下腺(舌の付け根辺り、下あごのくぼみ部分)の3か所は大唾液腺と言い唾液の95%が分泌されます。そこを両手で軽く揉みほぐしてあげることで唾液が出やすくなります。痛みを感じた場合はやめておきましょう。
7.健口体操健口体操をしましょう
健口体操とは、口の機能維持に効果的なトレーニングのことです。
「深呼吸」「首のストレッチ」「肩の体操」「口の体操」「頬の体操」「舌の体操」「早口言葉」などです。簡単に出来る事から無理なく毎日続けましょう。
8.かかりつけ歯科医院をもちましょう
トラブルチェックだけでなく、セルフケアでは落としきれない汚れを落とす「専門的な歯の清掃」やセルフケアの指導をしてくれるかかりつけの歯科医院をもちましょう。