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脳血管障害の方に対する口腔ケアのポイント(1)
[公開日:2023/7/28 /最終更新日: 2023/7/28 ]脳出血や脳梗塞などの脳血管障害のある方には、どの様なリスクがあるでしょうか。
様々なリスクが挙げられますが、脳血管障害の方は口腔機能にも障害が生じている場合があります。さらに、口腔内が不潔な場合、誤嚥性肺炎を発症してしまうリスクがあります。
では、脳血管障害のある方の誤嚥性肺炎を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか。1つは口腔ケアの実施です。
今回は脳血管障害のある方向けの口腔ケアの方法やポイントについてお話します。DENTAL HYGIENIST'S PROFILE
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NPO法人健口サポート歯るる
副理事長ひらまつ まきみ
平松 満紀美先生
脳血管障害の方の誤嚥リスクや口腔ケアの必要性について勉強しましょう
なぜ脳血管障害の方に誤嚥性肺炎のリスクがあるのか
誤嚥性肺炎はどのように脳血管障害と関連があるのでしょうか。誤嚥性肺炎は誤嚥によって発症しますが、脳出血・脳梗塞などの脳血管障害の方は口腔機能にも障害が発生していることがあり、誤嚥を起こしやすくなっています。また、不潔な口腔では汚染された唾液を誤嚥することにより、誤嚥性肺炎を発症してしまいます。このように不潔な口腔が誤嚥性肺炎の原因となってしまうのです。
そのため、誤嚥性肺炎予防のための口腔ケアが必要となります。口腔内を清潔に保つことが、誤嚥性肺炎の予防に繋がります。
口腔ケアを実施する際は全身状態を把握し、麻痺がないか確認を行い、麻痺側を上にする姿勢を確保しましょう。(麻痺の確認は担当医等から情報を得ましょう)
口腔ケアの際、どこを観るのか、何を観るのか?
のど・舌・上あご・頬・歯・歯肉の観察を行いましょう。歯と歯肉だけを観ていても何も解決しません。口腔ケアは、ただの歯磨き、入れ歯磨きではないということを認識しましょう。
付着物がどのように付いているのか、なぜ付着しているのかを考え口腔ケアを実施することは、脳血管障害による後遺症で低下した口腔機能の向上につながります。
まずは口腔機能の確認を行いましょう
いきなり口腔ケアを実施するのではなく、まずは口腔機能の確認を行いましょう。チェックする部分としては「喋りづらそうにしていないか(聞き取りづらくないか)」「食べこぼしが無いか」などがあります。
また、口腔ケア時、いつも同じところに食べ残しがある、もしくは義歯の汚れがいつも同じところにあるなど、食べ残しや汚れがどこに付着しているのかも確認しましょう。
図1. 義歯汚れの確認事例
ここまで口腔ケア時の事前確認項目について説明しました。次回は脳血管障害の方への口腔ケア・ストレッチ方法についてご紹介します。