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医科と歯科の連携の重要性について(2)
[公開日:2025/1/30 /最終更新日: 2025/01/30 ]本年度の診療報酬改定によって、医科と歯科の連携がより推進されることになり、重要なものとなりました。 また、口腔の状態と全身の健康状態は関連しており、口腔の問題が全身に影響を及ぼすことがあるため、医科と歯科での情報共有の重要性も高まっています。 前回のコラムでは口腔と身体の関わり、診療報酬改定について説明しました。引き続き、医科と歯科の連携の流れや利点についてご説明します。
DENTAL HYGIENIST’S PROFILE
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(公社)大阪府歯科衛生士会
やました まさよ
山下 政代先生
医科と歯科の連携の重要性について改めて確認しましょう。
前回のあらすじ
前回のコラムでは、口腔の健康状態と全身の健康状態は関連しており、今年度の診療報酬改定でも医科と歯科の医療機関が連携して治療や予防を行なう「医科歯科医療連携」が強く推進されることについて説明しました。今回は医科歯科医療連携の流れやそのメリットについて説明いたします。
医科歯科医療連携の流れ
医科歯科医療連携の具体的なプロセスとしては、まず医師と歯科医師が患者さんの情報を共有し、診断や治療方針を協議します。その後、歯科医師は口腔ケアや歯科治療を行い、全身疾患との関連を考慮しながら治療を進めます。
この連携により、口腔と全身の健康が統合的に管理されることが期待されます。また、在宅医療の現場でも、医科と歯科の連携が進むことで、寝たきりの方や通院が難しい高齢者への口腔ケアが適切に行われるようになります。これにより、誤嚥性肺炎などの予防にも繋がります。
医科歯科医療連携の利点
医科歯科医療連携の最大のメリットは、患者の健康管理が一元化されることです。これにより、安全かつ効果的な医療を受けられるようになります。
また、予防医療の視点からも、口腔の健康管理を通じて全身の病気を早期に発見・予防できることは大きなメリットです。特に高齢者や慢性疾患を抱える方にとって大きな効果が得られることが期待されます。医療機関や歯科医院が協力し、異なる分野の専門家同士がコミュニケーションを取るためには、互いの専門分野について理解を深めることが必要です。また、患者に対しても、口腔の健康と全身の健康の関連についてわかりやすく説明し、連携の重要性を理解してもらうことが重要です。
まとめ
医科歯科連携は、患者の健康を総合的にサポートするために欠かせない取り組みです。病気の予防や治療の質の向上、患者の生活の質の向上が期待され、医科歯科連携を効果的に実践することで、より良い医療・歯科医療を提供することが期待されます。